悪夢 - traitor -



 部屋に戻り、横になっているうちに太陽は沈み、月が昇った。いつもならば鍛錬場にいる時間帯であり、そんな時間に宿舎の部屋にいるということは今までなく、アイリスはぼんやりと窓の外を眺めていた。薄暗い部屋を照らし出すのは月明かりだけであり、部屋は静まり返っていた。
 いつもならば部屋にいる同室の女性兵士たちも今は警備に駆り出されているらしく、顔を合わすことがなかった。こういう時ばかりはキルスティのあの命令には少なからず感謝の念を抱きもした。無論、エルザの護衛が手薄になっていることを思えば、あのような無茶苦茶な命令を出したことに対して怒りもあり、こうして横になっていなければならない自分自身に情けなさも感じている。
 しかし、今はエルザの護衛に就く為にも早く身体を治すことの方が先決であるということも分かっている為、アイリスは横になって身体を休めていた。だが、脳は覚醒したままであり、一向に眠気が襲ってくるということもない。こうしてただ横になっているだけ、ということも落ち着かず、寧ろこうして横になっている方が疲れるのではないかとさえ思えて来るほどだった。


「……何?」


 そんな矢先、不意に窓の外を見ていた視界を過る放物線とかつんと小さな音が耳に届く。床にぶつかる音の後に部屋に飛び込んで来たそれは転がり、やがて部屋の中程で止まったようだった。注意深く窓の外に視線を向けながら身体を起こしたアイリスはベッドから下りると、部屋に飛び込んで来たそれを手に取って月明かりに翳した。


「小石……何でこんな……」


 部屋に飛び込んで来たのは掌の上で転がる小石だった。どうしてそのようなものが部屋に飛び込んで来たのだろうかと不審に思っていると、かつんとまた同じように小石が窓から飛び込んで来た。一体何なのかとアイリスは床に転がるそれを避けて窓へと駆け寄ると、宿舎の下には軽く手を振るレックスがいた。
 アイリスは予想もしていなかったことに目を見開き、咄嗟に彼の名前を呼ぼうとするも、慌てて口を押えた。このようなところで大声を出すと、宿舎に残っている兵士に見つかってしまう。レックスはあくまでもロルフ・バルシュミーデという警備兵としてこの城に潜入しているのだ。そして、彼とアイリスの間には何の関係もないということになっているのだから、隠れて会っているということは勿論、レックスが近衛兵団の宿舎の周りを勤務時間外にうろついているところなど決して見つかってはならないおだ。


「どうして此処に……」


 アイリスは眉を下げながら小さく呟く。彼女の部屋は宿舎の三階であり、そこから地上にいるレックスに声を掛けようとするならば、大声を出さなければならない。そんなことをすれば、一発で彼の存在を他の兵士らに気付かれてしまう為、問おうにも問えないのだ。
 時間を作ってまた来るとは言っていたが、まさか今来るとは思いもしなかったのだ。今は丁度、同室の兵士らが出払っているからよかったものの、そうでなければ拙いことこの上ない。いくら心配を掛けているからといっても、このやり方は無謀すぎると考えていると、レックスは肩に背負っていたものを下ろし、何やら準備を始めた。
 そして、彼は大きく手を振ると、アイリスに向けて自身が持っているロープを翳した。どうやらそれを使って部屋まで来るつもりらしい。それはさすがに無理だと彼女は首を横に振るも、レックスは平気だとばかりに笑みを浮かべると、ロープを持ってゆっくりと円状に振り回し始めた。


「危ないから下がれ」


 控えめに叫ばれたその言葉にアイリスは何を言っても無駄かと渋々、窓を大きく開け放って窓から離れる。すると、数瞬の後にごとんと音を立てて錘が付いたロープの先が窓から部屋に飛び込んで来た。思いの他、錘が床に落ちる音が大きく、アイリスは慌てて背後の扉や階下の様子を伺うも特に誰かがやって来る気配はなかった。
 錘の付いたロープをベッドの足に括りつけて窓から身を乗り出し、レックスに準備が出来たと合図を送ると彼は片手を上げて返事をした。そしてゆっくりとロープを使って壁を登り始めたのだが、その時に階下の部屋の窓へと視線を向けると、どうやらその部屋の兵士らも警備に駆り出されているらしい。そのことにほっと安堵しているうちにあっという間に壁を登り終えたレックスが窓から部屋に入り、手早くロープを回収した。


「もう、聞いてないよ、来るなんて。誰かに見つかったらどうするの」
「時間作って行くって言ったろ。それにこの部屋と下の部屋に誰もいないのは確認済みだ」


 警備任務に行くように予定組んだのはオレだからな、とレックスは悪戯っぽく笑った。彼曰く、アイリスと別れた後、近衛兵団団長と警備兵の隊長とで警備の割り振りを決めることになったのだが、雑務の一切をレックスに丸投げされたということだった。そのため、その際に手渡された資料に目を通した上で上手くアイリスの同室の兵士と階下の部屋の兵士を夜間警備に就けることが出来たということだった。
 職権乱用ではないかと思うも、そこまでして来てくれたことを思えば文句は言えない。何より、色々とレックスに伝えるべきこともあるのだ。腰を落ち着けて話せた方がいいことは確かであり、アイリスはベッドに座るように促すと自身は茶の用意をした。そして、回収したロープを束ねている彼の傍に小さなテーブルを寄せてそこにカップを置くと彼女もベッドに腰掛けた。
 話さなければならないことは多くある。しかし、いざ話すとなると何から話せばいいのか迷ってしまう。言葉に窮していると、ロープを片付け終えたレックスが徐に口を開いた。


「昨日、何があったか教えてくれないか」


 アイリスが言葉に迷っていることに気付いていないわけではないのだろう。しかし、それでもレックスははっきりとした声音と視線を以てそれを口にした。その視線を前にアイリスは顔を伏せながら言葉を探す。何があったのかを包み隠さずに話すべきだとは思っているのだ。しかし、レオのことは兎も角としても、自身の身に起きたことまで話す必要があるのかとも思った。話せば、レックスに心配を掛けることは間違いないのだ。
 しかし、手を尽くして此処まで来てくれた彼に対して嘘を吐くということはあまりにも不誠実過ぎるように思えてならない。心配ならばもう既に掛けているのだということを思うと、心苦しくはあるものの、何があったのかを全て話してしまった方が互いにすっきりするかもしれない――アイリスは昨日何があったのかを全て話すことを決めると、「あのね、」と努めて冷静な声音で口にした。


「……何でもっと早く言わなかったんだ」


 レオが暗殺されそうになったところ、その場に間一髪間に合ったこと、それから自身の身に起きたこと、エルザに助けられたことを順に話すにつれて、レックスの表情は険しいものになった。話し終えて口を閉ざしたところで、彼は絞り出すような声音で口にした。しかしそれは、決して責めるような口ぶりではなく、言葉とは裏腹に悔いているような響きさえあった。
 その場に居合わせられなかったことを悔いているのだろう。しかし、悔いたところで仕方ないことでもあった。警備兵として潜入しているレックスは地下牢に入ることが出来ない。ただでさえ、入隊して日が浅いのだ。そんな彼が地下牢の警備に配置されることは余程の事が無い限りはないだろう。だからこそ、レックスが悔やむことはないのだとアイリスは声を掛けようとする。
 だが、顔を伏せて口を閉ざすレックスを前にして彼女は何も言うことが出来なかった。何を言ったとしても、それは彼にとっては気休めにもならないだろう。レックスはそういう人間だ。たとえ自分の手が届かないところで何かが起こったとしても、自分の目の前で起きたことのように感じ、自身の力の無さを悔いる性分だ。
 それを分かっているからこそ、アイリスは何も言えなかった。下手なことを言うよりも、彼が顔を上げるのを待つ方がいい、と彼女はレックスから視線を逸らした。そしてぼんやりと宙を見ていたところで、先ほど話した自身の身に起きたことの記憶が脳裏を過った。それと同時に、殴られた頬や打ち付けられた頭に一瞬の痛みを感じ、目の前に迫った毒物が零れた床を思い出す。


「……、っ」


 それらの光景が脳裏を駆け巡り、一瞬にして胸が苦しくなり、アイリスは口元を押えた。そんな彼女に気付いたレックスは慌てて顔を上げると、アイリスの前に回って膝を付き、指先がひんやりと冷たくなった彼女の手を握った。そして、頬に手をやるとゆxtくりと顔を上げさせ、「平気か?」と声を掛ける。


「嫌なこと思い出させてごめん。怖かったよな」
「……レックス」
「今朝だってオレに心配掛けたくなくて、体調悪いって言ったんだろ?すぐに気付いてやれなくてごめん」


 普通に考えて、あれが単なる体調不良のわけがないよな――そう言ってレックスは視線を伏せる。黙っていたのは自分なのだから、そのような顔を彼がする必要はないのだとアイリスは緩く首を横に振った。寧ろ最初からちゃんと伝えていらよかったのだと今更ながらに思う。
 けれど、それを頭の片隅で考えながらも頭の大部分は脳裏を駆け巡った昨日のことでいっぱいだった。結局、今自分の考えていることは全て結果論でしかない。心配を掛けてしまったなどと考えられるのも、全ては生きているからだ。生きていなければ、心配も何もない。


「大丈夫。もう大丈夫だから。……もう誰にもお前のことを傷つけさせたりしないから」


 オレが絶対守ってやるから。
 じわりと浮かぶ彼女の涙を拭いながらレックスは言った。安心させるような笑みを浮かべながらも紅い瞳は真剣そのもので、アイリスはそれを見つめながら、浮かぶ涙を止めることが出来なかった。大丈夫だ、とその一言が欲しかったのかもしれない――目を閉じれば思い出しそうになるあの一件を、死に瀕したことを、もう思い出さないように過ぎたことだと思えるような、そんな言葉が欲しかったのかもしれない、とアイリスは小さく頷きながら考えていた。
 それと同時に、どうしようもなく自分が情けなくもあった。誰かに自分が今生きていることを肯定されなければ安心出来ないなど、あまりにも情けない、と。だからこそ、エルンストの期待に応えられるずに寧ろ気を遣わせてしまったのだとも思えた。強くなりたいと思えば思うだけ、気持ちは急くのに行動が追いつかないのだ。それでは駄目だと分かっているのに、少しだって自分が成長していないようにも思えてならなかった。それはアイリスの表情を酷く鬱屈なものとした。


「……レックス、このことはエルンストさんには言わないで」
「このことってお前が……」
「そう。レオのことは勿論伝えなきゃいけないけど、わたしのことは言わないで。お願い」
「……アイリス」


 ただでさえ、エルンストには心配ばかり掛けているのだ。今回のことを伝えれば、また無理をして城に侵入しかねない。それだけは避けたかったのだ。自分の所為でエルンストに危険な橋を渡って欲しくはない。心配を掛けたくはない。何より、無謀なことをしたとこれ以上、呆れられたくはなかったのだ。
 顔を伏せるアイリスを見遣り、レックスは何とも言えない顔をした。しかし、「……分かった」と暫しの後に彼はぽつりと呟いた。その返事に彼女は顔を上げると少しだけ驚いた顔をしてレックスを見た。生真面目な彼のことだから、それは出来ないと言われるとばかり思っていたのだ。


「アイリスが言って欲しくなって言うなら、言わない」
「……うん。ありがとう、レックス」


 やけにあっさりと頷いたことに驚きながらも、気が変わってはいけないとアイリスはそれ以上はそのことに関して何も言わなかった。そして、早く話を変えなければとばかりに「それから、今日はエルザ様のところに行ってからレオの様子と司令官に報告に行ったんだけど」と口を開く。
 レオが昨夜のうちに移送されていたこと、ルヴェルチに遭遇してゲアハルトに報告出来なかったことを告げるとレックスは目を瞠り、考え込む素振りを見せた。レオを移送したのはシリルであることを告げると、ますます顔を顰めて「どうしてあの方がレオを移送なんてしたんだ」と首を傾げた。


「理由は分からないけど、殿下がご自身の目的を果たすまではレオの命は保障するって。それに今回の移送はルヴェルチも知らされてなかったみたい」
「殿下とルヴェルチが仲違いしてるのかもしれないけど、殿下の目的っていうのが分からないとな……あの方は何を考えてるのかさっぱりだ」
「もう少し聞いてみたら何か話してくれるかも……」
「それは駄目だ」
「え?」


 シリルが何を考えているのか、何を目的としているのかは知るべきことのはずにも関わらず、顔を顰めて駄目だと言うレックスにアイリスは目を瞠った。一体どうしてなのだろうかと思っていると「忘れたのか?」と眉間に皺を寄せながら彼は言う。


「国葬でのこと。……あんまり殿下には近付かない方がいい。特に今は安静にしてなきゃいけないんだ、何かあってもその身体だと抵抗できないだろ」
「でも……殿下はそんなこと……」
「分からない。何が起きるか分からない場所だろ、此処は。油断しない方がいいし、警戒だってするべきだ。……オレは、お前に何かあったら嫌なんだよ」


 頼むから、と言われると心配してくれているのが分かるだけに無碍にすることは出来ない。あまり納得は出来ていないものの、アイリスは分かった、と頷いて見せた。その後も暫くは疑うような視線を向けられていたが、レックスもあまり口煩いことは言いたくはないらしく、それ以上は何も言わなかった。
 何より、今は優先するべきはレオが何処に移送されたのか、ということだ。また一から城の中を探すとなると頭が痛くなる。しかも、前回は牢獄を中心に捜索すればよかったが、今回は牢獄に幽閉されているとは限らないのだ。レオの移送はシリルの独断であり、彼とその側近しか移送先は知らないだろう。もしかしたら城の外に連れ出されている可能性さえある。一体どうすればいいのかとアイリスもレックスも顔を見合わせて眉を下げた。


「他の地下牢に移された可能性は?」
「わたしは低いと思う。正妃様がまたレオを暗殺しようとするかもしれないから、もっと厳重なところに移したのかも。殿下は正妃様に勝手をされては困るとも仰っていたから」
「それなら外に連れ出されたか、新しく牢が作られたか……それぐらいしかないだろうけど」
「あ!ほら、あれは?前に言ってた門の警備に当たってる人たちが作る書類!あれを見れば分かるんじゃないかな」


 門の警備に就いている警備兵らが作成する書類には城の出入りに関して事細かにまとめられている。そういった資料があるのだということを先日、レックス自身から聞いていたことを思い出したのだ。たとえ、レオが出たかどうかが分からなくとも、シリルの側近の出入りを確認すれば何か手掛かりを得ることが出来るかもしれない。そうでなくとも、新しく牢を作るのであれば材料の搬入や大工の出入りがあるはずだ。
 それを指摘すると、「それだ!」とレックスは顔を明るくした。そして、丁度明日の朝は門の警備に当たっているからすぐに調べると彼は力強く頷いた。これで何の手掛かりも得られなければ、シリルの口をどうにかして割るか、地道に移送された可能性のある場所を虱潰しに探すしかなくなる。何らかの手掛かりを得られることを願っていると、レックスはゆっくりと立ち上がった。


「本当はもう少しいたいけど、これ以上はお前の身体に障るだろうからもう行くよ」
「大丈夫だよ」
「だとしても、休める時に休むべきだ。何があるか分からないんだから」


 そう言われると、それ以上は何も言えない。アイリスは床に置いていたロープを窓から地上に下ろして帰り支度を始めるレックスを見遣り、心配を掛けない為にもちゃんと休んで早く元気にならなければと考える。そして、しっかりとベッドの足にロープを括りつけたレックスはそれを確認すると、改めて彼女の方を振り向いた。


「多分、お前が思ってるよりもずっとレオは強いよ」
「え……?」
「気にしてるだろ、あいつのこと。落ち込んで塞ぎ込んでるんじゃないかって……あいつは何でも自分の所為だって考えるから」
「……うん」
「確かにあいつはそういう考え方の奴だけど、オレは平気だと思う。あいつは、お前を目の前で傷つけられてそのまま黙ってるような奴じゃない」
「……」
「あいつはちゃんと前を向いて自分の足で立ち上がるよ」


 迷いのない言葉を真っ直ぐに向けられ、アイリスは伏せ掛けていた目を見開いた。言葉の端々から感じ取ることが出来るレックスのレオへの信頼感に彼女は何も言うことが出来なかった。助けなければ、守らなければとそればかり考えていたのだ。レオが自分の足で立ち上がり、前を向くことが出来るなどとは考えたことがなかった。レオのことを信じていないわけではなかったが、項垂れる彼を前にして、そのようなことに考えが至らなかったのだ。
 

「オレたちがあいつの為に出来ることは、あいつが立ち上がって前を向いた時に外に出られるようにすることだろ」


 オレたちがあいつを一番に信じてやらなきゃ、誰があいつのことを信じてやるんだよ。
 その言葉に、アイリスは僅かに顔を歪めながら何度もこくりこくりと頷いた。レオは必ず自分の足で立ち上がる。前を向いて立ち上がることの出来る強さを持った人だ、とアイリスはそんなことさえ忘れていた自分に腹が立った。レックスの言う通りであり、レオのことを一番に信じるべきなのだ。心配ばかりせずとも、レオはきっと大丈夫なのだと言い聞かせ、今自分に出来ることを精一杯やることこそが、最終的には彼の為になるのだとアイリスは伏せていた視線を持ち上げる。


「そうだよね、……わたしたちがレオのことを一番に信じなきゃいけないんだよね」
「ああ。まあ、だからってお前が無茶していい理由にはならないからな」


 それだけは覚えてろよ、とレックスはアイリスの額を軽く小突くと窓枠に足を付く。そして体勢を整えてロープを握り直すと、「それじゃあまた明日、昼頃に回廊で。おやすみ」と言うと、素早くロープを伝って地上へと下りていく。アイリスは窓に駆け寄って身体を乗り出すと、丁度地面に到着したところだった。
 レックスの出す合図を一瞥し、アイリスはベッドの足に括りつけられているロープを外した。そして改めて窓に近付いて合図を出すと、ロープは小さな音を立てながらゆっくりと窓から出て落下し、回収されていく。その手際のよさに感心していると、ロープを回収し終えたレックスは顔を上げて、笑みを浮かべて控えめにアイリスに手を振った。


「おやすみ、レックス」


 声が聞こえているかどうかは定かではないが、アイリスは声を掛けながら手を振り返した。気持ちは幾分も軽くなり、彼が来るまでの間、抱えていた鬱屈とした気分は微塵も残っていなかった。来てくれたことに改めて感謝しながら、アイリスは足早に立ち去るレックスの姿が見えなくなるまで窓から見送ると、ベッドに横になった。
 早く以前と変わらず動けるようにならなければと思ったのだ。それがレオの為にもなり、自分の為にもなるのだと言い聞かせ、アイリスは気持ちが落ち着いたせいか、自然と重たくなる瞼をゆっくりと閉ざした。




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